国際輸送におけるパレットとは?パレットの種類や使い方を徹底解説
国際輸送においてパレットの使い方や種類を知っていれば、物流コストを削減し、運送効率を上げることができます。
しかし、どのようなパレットがあるのかや、注意点等が分からないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「国際輸送におけるパレットの種類や基本的な使い方」を詳しく解説します。
パレットの特徴をきちんと把握し、国際輸送における効率的な物流を実現するための知識を身につけましょう。
目次
国際輸送におけるパレットとは
国際輸送におけるパレットとは、荷物を運ぶ際に使用される「板状の荷物の置き台」のことです。
パレットを使うことで、荷物の移動を容易にし、荷物の損傷や紛失を防止することができます。
また、パレットは様々な種類があり、荷物の性質や運搬方法に合わせて選択することができます。
パレットに貨物を積んだ後、荷崩れを防ぐために「ストレッチフィルム」と呼ばれる大きなラップで、貨物とパレットを一緒にぐるぐる巻きます。
荷物を載せたパレットは基本的にフォークリフトを使って、任意の場所まで移動させます。
パレットのメリット・デメリット
それでは「国際輸送ではなぜパレットを使うのか」そのメリットとデメリットをそれぞれチェックしていきましょう。
パレットのメリット
パレット輸送のメリットは以下の3つが挙げられます。
①荷姿の効率化
パレットを使うことで荷物の積み方を最適化でき、輸送効率が向上します。
荷物の積み方が効率的になることで、トラックやコンテナの空間を有効活用できるため、運搬コストの削減にもつなげることが可能です。
②作業効率化
パレットを使うことで、フォークリフトでの荷物の荷降ろしや積み込みがスムーズになり、作業効率が向上します。
また、荷姿が整った状態で輸送されるため、品質管理が容易になる上に、荷物の破損や損傷を防ぐことができます。
③環境負荷削減
種類にもよりますが、パレットは基本的に再利用が可能なため、環境にもやさしい輸送方法です。
また、荷姿が整った状態で輸送されるため、廃棄物の発生を抑えることにもつながるでしょう。
パレットのデメリット
パレット輸送には、以下の3つのデメリットがあります。
①コストの増加
パレットを使用することにより、パレット自体の購入や保管、運搬などのコストが発生します。
また、パレットを使わない場合よりも輸送容積が増えるため、運送費が増加する場合があります。
②積み方の制限
パレットは荷物をまとめるために使われますが、荷物の形状や大きさによっては、パレット上での積み方が限られる場合も。
そのため、荷物の積み方について事前に考慮する必要があり、荷主や輸送業者にとって作業の手間が増えることがあります。
③国際的な規制
一部の国では、木製パレットに対する規制があるため、木製パレットの輸送が制限されたり、輸送を可能にするため追加の手続きが必要になる場合があります。
木製パレットを使う際に求められる「燻蒸処理」については、この記事内で後述します。
パレットの種類
国際輸送で使われるパレットは、主に以下の4種類です。
- 木製パレット
- プラスティックパレット
- 金属パレット
- 段ボールパレット
ここから、それぞれの特徴を紹介していきます。
①木製パレット
国際輸送における木製パレットとは、木材を加工して作られた、床面積が広く積み重ねができるパレットです。
一般的には、輸送業界では木製パレットが最も広く使われており、様々な製品や商品の輸送に使用されています。
木製パレットは、取り扱いが容易で、比較的安価で入手できるというメリットがあります。
しかし、国際輸送においては、木材に含まれる害虫や微生物を取り除かなければなりません。
そのため、国際基準を満たす熱処理などの対策をしなければならず、取り扱いには注意が必要です。
②プラスティックパレット
プラスティックパレットは、プラスティック(樹脂)でできたパレットです。
木製パレットと比べて、軽量で強度があり、耐水性や耐薬品性が高いため、海外輸送や食品業界などで広く利用されています。
また、木製パレットと異なり、虫やカビが発生することがないため、衛生的な面でも優れています。
プラスティックパレットは再利用が可能で、修理やメンテナンスもしやすく、長期間使用することができます。
しかし、一部の国や地域では輸入制限がある場合がありますので、輸出入する際は事前に確認する必要があります。
金属パレット
金属パレットは、スチールやアルミニウムなどの素材で作られたパレットのことを指します。
一般的に木製パレットやプラスチックパレットよりも耐久性が高く、重い荷物や高荷重物の輸送に適しています。
また、金属パレットは防水性が高く、湿気の多い環境での使用にも適しています。
ただし、金属パレットは価格が高く、重量があるため、輸送コストが高くなることがあります。
金属パレットを選択する際には、荷物の性質や輸送ルートなどを考慮し、適切な選択を行う必要があります。
段ボールパレット
段ボールパレットは、段ボールで作られた軽量なパレットです。
通常、段ボールパレットは、多層のダンボールを折り重ねたもので作られ、組み立てや廃棄が簡単であるため、物流効率を高めることができます。
また、段ボールパレットは、木製パレットやプラスチックパレットよりも軽量であり、コスト面でも優れているため、海外輸出にも適しています。
しかし、段ボールパレットは木製パレットやプラスチックパレットに比べて耐久性や耐水性に欠けるため、重い物品を輸送する場合には注意が必要です。
現状、輸出入の場面ではまだ使われることが少ないですが、今後主流になる可能性は十分あるでしょう。
各国におけるパレットの標準サイズ
国際輸送においてパレットは標準サイズが定められています。
- 日本/韓国:1100×1100
- 中国:1200×1000
- 台湾①:1200×1000
- 台湾②:1100×1100
- アメリカ:1219×1016
- ヨーロッパ①:1200×800
- ヨーロッパ②:1200×1000
このようなサイズの違いに加え、フォークリフトのツメを差し込む向きが違ったりすることがあるので、国際輸送でパレットを使用する際には、事前にきちんと確認しましょう。
木製パレットで求められる燻蒸処理とは?
国際輸送において、木製パレットには病害虫を防止するために、燻蒸処理が求められます。
燻蒸処理とは、木材内部に侵入している可能性のある病害虫を死滅させるために、高温・高湿度で一定時間加熱することです。
この処理によって、木材内部に潜む可能性のある病害虫が殺虫され、国際的な検疫基準に適合したパレットとなります。
燻蒸処理は、木材の種類や湿度、大きさ、病害虫の種類によって処理時間や温度が異なりますが、国際的に認められた規格で行われます。
パレット輸送においては、燻蒸処理された木製パレットを使用することが必要不可欠です。
各国の処理表示印例は植物防疫所が公開している、こちらをご覧ください。
輸出パレットへの積み上げ方法
一般的に輸出パレットへの積み上げ方法は以下の7つとなります。
- 平積み(ブロック積み)
- 交互列積み
- レンガ積み
- 窓積み
- スプリット積み
- ピンホール積み
- ダブルピンホール積み
積み上げをしたのち、ストレッチフィルムでぐるぐる巻きにします。
また上記以外にも「〇回し〇段」などの物流用語がありますが、これは上記の積み上げ方法と異なります。
いずれにしても、積み上げをする際は、安全の為にも事前確認を忘れないようにしてください。
パレットには様々な種類と多くのメリットがある
ここまで、国際輸送におけるパレットついて紹介してきました。
国際輸送においては、パレットを使うことで効率的かつ安全な運搬が可能です。
また、様々な素材やサイズのパレットがあり、それぞれにメリットやデメリットがあり、燻蒸処理など、パレット輸送に関する規制や注意点もあります。
国際輸送でパレットを使うことがある場合には、ぜひこの記事を参考にしてみてください!
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