コンテナロードプラン(CLP)とは?必要性やB/Lとの関係を解説
コンテナでの国際輸送を行う際、コンテナの中には何が入っているのかわからないままでは、相手国は輸入を許可することができません。
しかし現状、全てのコンテナを開け、全ての中身をチェックすることは、通関時には行っていないです。
とはいえ、中身が全くわからないまま、輸出入をしているわけではなく、きちんと中身を把握して輸送を行っています。
そこで中身を把握するために重要となるのが「コンテナロードプラン」です。
今回はそんな国際輸送に重要な「コンテナロードプラン」をテーマに
- コンテナロードプラン(CLP)とは
- コンテナロードプランで欠かせない情報
- コンテナロードプランが必要な5つの理由
- コンテナロードプランとB/Lとの関係
について解説していきます。
目次
コンテナロードプラン(CLP)とは
コンテナロードプランとはコンテナ内積付表のことで、船積みする貨物の中身が詳しくわかる明細書です。
英語では「Container Load Plan」となり、それを略して「CLP」と表記することもあります。
1コンテナにつき、1つのコンテナロードプランが必要で、輸出者が準備をしなければなりません。
コンテナに貨物を詰め込んだあとは、コンテナを開封をすることはないので、船会社はコンテナロードプランの情報を元に荷揚港まで運んでいきます。
コンテナロードプランで欠かせない2つの情報
コンテナロードプランには、コンテナ内の様々な商品情報が記載されていますが、その中でも特に欠かせない情報が2点あります。
その2点とは
- 船の重心点を決めるための総重量
- 危険物に該当する製品かどうか
の2つです。
船の重心点を決めるための総重量
船の重心点を決めることは、安定した航海をするために非常に重要です。
重心点とは、重さの中心のことで、重心点が偏ってしまうと転覆の危険性も考えられます。
そのためコンテナロードプランを使い、コンテナの重量をそれぞれ把握し、重心点を前後左右の真ん中に置くように船積みをします。
真ん中に重心がくるよう船積みができれば、安定した状態で海上輸送を行うことが可能です。
危険物に該当する製品かどうか
重心点の決定と同様に重要なのが、危険物に該当する製品かどうかということ。
爆発の危険性があるものや、引火性・可燃性のあるもの、毒物等がコンテナにはいっていたら、一般的に考えても危険ですよね。
このような危険物がコンテナ内にはいっていると、輸送中の事故に繋がることもあるため、コンテナロードプランを使い厳しくチェックしています。
コンテナロードプランが必要な5つの理由
コンテナを適切に輸送するためにはコンテナロードプランが重要です。
ここから「コンテナロードプランが必要な理由」を5つ解説していきます。
理由①:コンテナスペースの効率化
コンテナロードプランが必要な1つ目の理由は「コンテナスペースの効率化」です。
コンテナは有効に使えるスペースが限られており、貨物の無駄なスペースを最小限にしなければなりません。
コンテナロードプランがあることで、与えられたスペースを最大限に有効活用することが可能になります。
無駄なスペースがなくなり、積み残しが削減されるため、輸送効率が向上します。
理由②:貨物の安全性の確保
続いての理由は「貨物の安全性の確保」です。
コンテナ輸送では、貨物が届いた際「商品にならない」なんてことがないよう、振動や衝撃による損傷を最小限に抑えなければなりません。
つまり輸送中に貨物が傷つかないようにするため、コンテナ内での貨物の適切な配置をする必要があります。
コンテナロードプランを使うことで、貨物が適切な場所に配置されるため、輸送時の安全性を確保することができます。
理由③:法的要件と規制の遵守
貨物の輸送には、危険物の取り扱い、品質規格、重量制限などを含む、国際的な法的要件や規制があります。
コンテナロードプランはこうした「法的要件と規制の遵守」にも有効です。
もし中身がわからないままであれば、違法な製品や人々を危険にさらす物を国内に入れてしまうかもしれませんよね。
そこでコンテナロードプランを使うことで、これらの要件と規制に関する情報をきちんと提供し、コンプライアンスを守ります。
理由④:航海の安定性
貨物の安定性も重要ですが、それを実現させるにはまず航海そのものが安定していなければなりません。
過度の重量が片側に偏ると、重大な事故に繋がる可能性も。
そのためコンテナロードプランは、航海を安定させ、安全な輸送をサポートする役割も担っています。
上記でもお話した通り、コンテナロードプランの情報を元に船の重心点を決め、コンテナのバランスを保ち、転倒しにくくなるように配置することで、輸送中の事故を防ぎます。
理由⑤:コストの削減
コンテナロードプランは、最短の距離で最大の貨物を輸送できるように設計されています。
運搬コストを最適化し、貨物輸送のコストを抑えるのに役立ちます。
一度に大量の貨物を運ぶことができるコンテナ輸送だからこそ、無駄がないように輸送することは大切ですし、より大きなメリットを生み出すことが可能となります。
コンテナロードプランとB/L INSTRUCTIONSとの関係
ここまで、詳しく解説をしてきたコンテナロードプランですが、2020年以降、船荷輸送に関する書類の簡略化の流れもあり「B/L INSTRUCTIONS」に一本化されつつあります。
B/L INSTRUCTIONSとは、B/L Bill of Landing の元となる指示書のことです。
とはいえ、コンテナロードプランもB/L INSTRUCTIONSも、基本の形式は船主協会によって統一されたフォームが使われています。
下記、ONE JAPAN様のB/L INSTRUCTIONS記入例がありますので、ぜひご覧ください。
https://jp.one-line.com/sites/g/files/lnzjqr1401/files/2018-02/BL%20Instruction%20Sample.pdf
コンテナロードプランは安全な輸送のために大切な書類
グローバルな取引が活発になる現在、今後は海上輸送のニーズもより高まっていくと予想されます。
とはいえ、コンテナロードプランを作成するのは、通関業者が行うため一般的には、詳しく知るケースは少ないでしょう。
しかし、コンテナロードプランは貨物の輸送や航海そのものを安全に行うために大切な書類です。
貿易をはじめとする国際輸送に関わる方々は、知識として知っておくと何かの役に立つかもしれません。
輸出入代行.comでは、輸出入ビジネス、海外事業に必要なことを丸投げできるサービスを行っているので、ぜひお気軽にお問合せください。