デマレージ・フリータイム・ディテンションとは?違いや特徴を解説

海外ビジネスをしている方の多くは「デマレージ」や「フリータイム」「ディテンション」といった言葉を聞いたことがあると思います。

これらの言葉はコンテナ輸送の際に使われ、それぞれコンテナの費用に関わる重要なキーワードです。

そこで今回は「デマレージ・フリータイム・ディテンション」をテーマに

  • デマレージとは
  • フリータイムとは
  • ディテンションとは
  • デマレージとディテンションの調べ方
  • デマレージを発生させない方法
  • コンテナの到着から引き取りまでの流れ

を解説していきます。

「デマレージ」や「フリータイム」「ディテンション」について詳しく知りたいという人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

デマレージとは

デマレージ/フリータイム/ディテンション

デマレージ(Demurrage)とは、貨物が港に到着した後、貨物を受け取るために割り当てられた時間枠を超過した場合に発生する追加料金のことです。

通常、コンテナが船からコンテナヤードへ陸揚げされてから、輸入者側がそれを取り扱うまでには、期間が定められています。

この期間内に輸入者側が貨物を回収しない場合、船会社は貨物がその場所に留まる追加期間に対して「デマレージ」として料金を請求することができます。

デマレージ料金は、コンテナが港やコンテナヤードに留まっている期間に対して課金されるケースが多いです。

コンテナの使用や保管にかかるコスト、船会社の収益の損失、および他の船のスケジュールに対する影響を補償するためにデマレージは発生します。

引き取り促進のため、一日当たりのデマレージは累進的に高くなっていくのが一般的です。

フリータイムとは

続いてフリータイムについて解説します。

フリータイム(Free Time)とは、貨物が港やコンテナヤードに到着してから、輸入者側が貨物を引き取るまでの無料期間を指します。

船会社は輸入者側に対して一定期間のフリータイムを提供し、この期間内に貨物を回収しなければ、追加料金であるデマレージが発生する仕組みです。

フリータイムの期間は、船会社や港湾当局の規定に基づいて決定されます。

この期間は数日から数週間までの間であり、貨物の種類や目的地によって異なります。

また、コンテナのサイズや船会社の契約条件によっても異なるケースもあります。

受け取り手は、フリータイム内に貨物を回収することで、追加料金であるデマレージを回避することが可能です。

フリータイムをきちんと管理し、貨物の回収手続きを迅速に行うことでデマレージ等の費用を抑えることができます。

フリータイムは延長が可能な場合がある

事前に船会社と契約を結ぶことで、フリータイムを延長することができる場合があります。

フリータイムの延長が締結出来ていると、B/Lに「〇〇 days Free at Destination」などの記載があり、これが目印となります。

とはいえ、近年はコンテナ不足が慢性化している影響からフリータイムの延長を受け入れる会社は減少傾向にあります。

むしろ中国系の船会社ではコンテナ不足を回避するため、フリータイムを設けないとする会社も出てきているようです。

今後この流れが広がるかどうかは不透明ですが、コンテナ不足が解消されない限りフリータイムが短くなる可能性が十分考えられます。

ディテンションとは

ディテンション(Detention)とは、コンテナの返却がフリータイムを超えた際に発生する延滞料のことです。

コンテナの返却が遅くなると、船会社は次の輸送準備ができないなどの影響があるためディテンションは設定されています。

コンテナのフリータイムも数日から数週間設定されており、デマレージと同じく、引き取り促進のため、一日当たりのディテンションは累進的に高くなっていきます。

デマレージとディテンションの調べ方

では、デマレージとディテンションはどのように費用を計算したらいいのでしょうか。

デマレージとディテンション、フリータイムの日数は、船会社によって変化します。

また、コンテナの大きさやコンテナの種類によっても価格が変化します。

それぞれの料金は各船会社のホームページ等で公開されているので、期間の長さや価格に注意して確認してみてください。

一例として「Ocean Network Express Pte. Ltd.」のデマレージとディテンションの料金表(2024年現在)を下記に記載するので、ぜひチェックしてみてください。

demurrage
デマレージ料金表
detention
ディテンション料金表

デマレージやディテンションを発生させない方法

デマレージやディテンションは累進的に加算されていくので、注意しておかないと多額の費用がかかってしまいます。

そのため、輸出国側の予定や輸送スケジュールの細かな確認が重要です。

船会社からアライバルノーティスと呼ばれる事前到着通知はあるものの、担当者まで届いておらず、デマレージが発生してしまったなどのケースは珍しくありません。

そのため、きちんとアライバルノーティスが届くよう、B/LのNotify Party(アライバルノーティスの送付先)に担当者の連絡先を記載するよう輸出側に伝えることは忘れないようにしてください。

コンテナの到着から引き取りまでの流れ

それでは、コンテナの到着から引き取りまでの流れをチェックしていきましょう。

全体的な流れとしては、

  1. クレーンでコンテナ船から陸揚げ
  2. コンテナヤードにてコンテナ番号の搬入確認
  3. 船会社が海上運賃や港湾費用の支払い
  4. B/L回収の確認とNACCS上でY表示を確認
  5. 税関に輸入申告
  6. 税関の指示で税関検査(エックス線検査等)
  7. 輸入許可
  8. 運送会社がコンテナをピックアップ
  9. コンテナを輸入者指定の物流倉庫へ持ち込み
  10. コンテナ出し作業(デバンニング)
  11. 空になったコンテナをコンテナヤード返却

となっています。

大まかに分けてもこれだけの工程があり、とても複雑なように感じると思いますが、以前はこれらの工程に加えて、船社に支払い完了後にD/O(デリバリーオーダー)を受け取る必要がありました。

最近ではD/Oレスと呼ばれるD/Oを使わない取引が一般的になり、より早い貨物の引き取りができるようになっています。

LCLでの貨物引き取りの流れ

コンテナ1つをまるごと引き取るのでなく、LCLという混載輸送での貨物の引き取りはどのようになるのでしょうか。

LCLも全体的な流れは上記の流れと変わりませんが、違いとしては、LCLの場合はまずコンテナはCFS(コンテナフレイトステーション)にコンテナが引き上げられ、CFSでそれぞれの荷主ごとに貨物が分けられます。

そして、その後フォワーダーが輸入通関手続きや輸入許可、貨物の引き取りまでの手続きを行うというのが一連の流れです。

デマレージとディテンションはきちんと把握しておこう

ここまでデマレージとフリータイム、ディテンションについて説明をしてきました。

それぞれ輸送費用に直接関係している期間のことであり、デマレージやフリータイム、ディテンションをしっかり把握しておかないと、輸送費用が高額になってしまうことも。

できるだけリーズナブルに商品の輸入をするためにも、今回紹介した「デマレージ」「フリータイム」「ディテンション」はきちんと把握するようにしましょう。

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