貿易におけるDebit note(デビットノート)とInvoice(インボイス)の違いとは
貿易書類を扱っている人の中には「Debit note(デビットノート)」という単語を聞いたことがある人もいると思います。
Debit note(デビットノート)は支払いの際に使われる書類のため、Invoice(インボイス)と混同されてしまうケースは少なくありません。
そこで今回は貿易におけるDebit note(デビットノート)をテーマに
- Debit noteとInvoiceの違い
- Debit noteの使い方
- Debit noteの注意点
- Debit noteの対となるCredit noteとは
を解説していきます。
実際の現場で使われることも多いDebit noteについて、詳しく知りたいという人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
Debit note(デビットノート)とは
Debit note(デビットノート)とは、一言で説明すると「借方伝票」のことです。
相手側に対して、受け取らなければならない債権が発生した際、相手の借方に金額を計上し、支払い請求をするための伝票・請求書のことをいいます。
つまり、デビットノートは相手側へ支払い請求をする時に使う書類です。
デビットノートを使って支払い請求をするやり方は「デビットノート方式」と呼ばれています。
デビットノートには決められたフォーマットがあるわけではなく、各会社それぞれのフォーマットが使用されています。
Invoice(インボイス)との違い
上記の「デビットノートとは何か」の説明を読んで、
Invoice(インボイス)と同じではないか?
と疑問を抱いた人もいるでしょう。
インボイスとは明細書や送り状の役割を持ち、
- 買主情報
- 売主情報
- 出荷地
- 仕向け地
- 商品名
- 数量
- 価格
- 条件
などが記載されています。
国際取引において相手に支払い請求をする際、インボイスを請求書とし、これを元に支払いを行う取引は少なくありません。
そのため、支払いを請求するという目的においてはデビットノートと同じです。
しかし一般的に、インボイスは1つ1つの取引で発行される書類であり、それに対しデビットノートは、掛け払いなどで複数のインボイスをまとめて支払い請求する際に発行するという違いがあります。
Debit note(デビットノート)の使い方
それでは具体的にデビットノートが使われる場面や使い方をチェックしていきましょう。
デビットノートの使い方としては、
- 継続取引における掛け払い
- 返品や値引きの発生による金額変更
の2つがあります。
①継続取引における掛け払い
1つ目の「継続取引における掛け払い」を説明します。
信用状無しの取引において、売主が取引ごとに都度インボイスを送り、支払い請求をしますよね。
しかし、継続取引がある場合、インボイスごとに支払い請求をしていると、手間やリスクが発生するので、事業負担を軽くするために掛け払いを導入するケースも少なくありません。
このような掛け払いの際、デビットノートを作成し、一定期間の取引をまとめた帳票を買主に送っています。
②返品や値引きの発生による金額変更
貿易取引では、商品の破損や欠品による値引きや返金をするケースも珍しくありません。
こうしたケースで買主が売主に対して、支払いの金額変更を明記し、相殺(ネッティング)をする際にもデビットノートを発行します。
デビットノートは買主から売主へも発行されることがあるということを覚えておくようにしましょう。
Debit note(デビットノート)の注意点
貿易取引では、支払いを相殺(ネッティング)して決済をすることがあります。
しかし、支払いの相殺(ネッティング)が為替管理上認められていない国もあり、このような場合は相殺のためにデビットノートを発行することができません。
実際、日本国でも以前は相殺(ネッティング)には事前の許可が必要でした。
そのため、ネッティングのためにデビットノートを発行するケースがある場合、相手国でネッティングが認められているかどうか確認を忘れないようにしてください。
Debit noteの対となるCredit note(クレジットノート)とは
最後にデビットノートの対となるCredit note(クレジットノート)について解説をしていきます。
一般的にクレジットノートはデビットノートの対として使うので、「相手側に返金を約束する書類」ということになります。
つまり売主が買主に対し、返金を約束する「債務を認める」書類であり、クレジットノートを発行した場合は、デビットノートを発行することはありません。
デビットノートを理解して貿易の支払いに活かそう
デビットノートは貿易における支払いで使用される書類です。
用途などからインボイスやクレジットノートと混同されがちなため、どういう用途で発行しているのか取引相手と同じ認識を持つことが欠かせません。
役割や注意点を理解して、貿易取引の支払いがスムーズに行えるようにしましょう。
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