国際輸送でのクーリエとEMSの違いとは?選び方とポイントを解説

社会のグローバル化が進んでいく現在、仕事やプライベートでも、海外へ荷物や書類を送ったりするケースがこれから増えてきますよね。

海外への荷物の発送を検討する際、もちろん様々な方法がありますが、候補として挙げられるのが「クーリエ」と「EMS」

一見どちらも似たようなサービスなので「どちらのサービスを使えばいいのかわからない」と迷ってしまう人もたくさんいると思います。

そこで今回は「国際輸送でのクーリエとEMSの違い」をテーマに

  • クーリエとEMSとは何か
  • クーリエとEMSの違い
  • クーリエで荷物を発送する方法
  • クーリエやEMSでの発送業者の選び方
  • 国際的な大手クーリエ業者

を解説していきます。

クーリエとEMSの違いがわからない場合やどのサービスを選べばいいのか知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

クーリエとは国際宅配サービスのこと

クーリエ EMS

クーリエとは航空輸送を用いて、荷物や書類を発送元の住所から受け取り先の住所まで配達するドアツードアのサービスのことです。

わかりやすくすると、国内でのヤマト宅急便や佐川急便のようなサービスの国際版ということになります。

一般的に国際輸送となると、税関手続きや書類の作成などが必要ですが、クーリエの場合、必要書類も少なく、かつ税関処理のサポートも行ってくれるというメリットがあります。

コンテナ輸送などの大型貨物ではクーリエを使うことはありませんが、そこまで大きくない荷物であればクーリエでの国際輸送が使われるケースが多いです。

EMSとは

EMS(Express Mail Service)とは、世界各国の郵政庁など公的郵政機関が行っている国際郵便サービスの一種です。

日本国内では日本郵便が扱っており、郵便局にて発送手続きをすることができます。

120カ国以上の地域に30㎏までの荷物を送ることができ、追跡機能も付帯しているため、安心した国際輸送が可能です。

またアジアの一部地域を対象とした、冷蔵・保冷状態での輸送ができる「クールEMS」というサービスの取り扱いがあります。

クーリエとEMSの5つの違い

ここまで「クーリエとEMSのサービス概要」について解説をしてきましたが、ここからはその2つのサービスの具体的な違いを紹介していきます。

国際輸送においてよく比較されるサービス同士ですが、いくつかの違いがあるので、一緒にチェックしていきましょう。

クーリエとEMSの違い①:民間企業か公的機関か

1つ目のクーリエとEMSの違いは「運営元が民間企業か公的機関か」です。

クーリエは民間企業が運営をしており、EMSは万国郵便連合と呼ばれる国際機関に加盟をしている公的機関になります。

国内輸送に置き換えて説明をするならば、クーリエはヤマト宅急便や佐川急便で、EMSは郵便局で取り扱いをしている普通郵便やゆうパックということになるでしょう。

クーリエとEMSの違い②:送料や関税の支払い元

続いての違いは「送料や関税の支払い元」の違いです。

クーリエの場合、送料や関税の支払い元を発送人が支払うのか、それとも受取人が支払いをするのか選択をすることができます。

一方のEMSでは、基本的に送料は元払いなので発送人が負担をし、関税については受取人が支払うこととなっています。

従って、商品発送の場合、関税の支払いについて事前に受取人に伝えておかないと、後でトラブルになることも。

このようなことから、クーリエの柔軟性が好まれるケースは少なくありません。

クーリエとEMSの違い③:配送にかかる時間

配送にかかる時間」もクーリエとEMSの大きな違いです。

EMSも通常の国際郵便よりは短い期間での配達が可能ですが、クーリエの配送スピードはそれを上回ることが多いです。

例えば、EMSでは3日以上かかる地域への配送でも、クーリエを使うことで翌日から3日以内での配送ができます。

これはクーリエが独自の航空機や配送システムを保有しているため、スムーズで素早い輸送ができるためです。

そのため、急いで荷物を送りたい、納期が迫っているなどの場合クーリエが選ばれる傾向にあります。

クーリエとEMSの違い④:通関手続きのやり方

クーリエとEMSは「通関手続きのやり方」も違います。

クーリエには社内に専属の通関士がいるため、イレギュラーなケースを除けば、通関業務や手続きに関して発送人が何かする必要はありません。

しかし、EMSの場合では、発送する荷物の代金が総額20万円以上となると、発送人自らが輸出申告書などを作成し、通関手続きを行う必要があります。

EMSではクーリエにはないこうした手間がかかることがあるという点も覚えておくようにしましょう。

クーリエとEMSの違い⑤:重い荷物でも発送ができる

5つ目の違いは「重い荷物でも発送ができるかどうか」も大きく異なります。

EMSでは輸送する荷物の重さや大きさに制限があり、多くの国では

  • 最大長さ:1.5m以内
  • 長さ+横周:3m以内
  • 重量:30㎏まで

という制限になっています。

一方、クーリエでの輸送の場合、重量については70㎏で基準を設けている業者が多く、EMSと比較すると2倍以上の違いがあります。

またパレット梱包をした状態で貨物の引き渡しができる点も、ユーザーにとって大きなメリットだといえるでしょう。

【簡単】クーリエで荷物を発送する4ステップ

クーリエとEMSの違いがわかったところで、クーリエを使って荷物を海外発送する際の流れを紹介していきます。

全体的な流れとしては

  1. 取り扱い可否を確認
  2. 書類の作成
  3. 集荷の連絡
  4. 通関手続きと配達

の4ステップです。

それぞれ解説していきます。

【ステップ①】発送物の取り扱い可否を確認

クーリエを利用して海外輸送を行う際、最初にすべきことは「発送物の取り扱い可否の確認」です。

いくら輸出入が盛んになり、グローバル化が進んだとはいえ、まだまだ国際輸送では送れない製品もたくさんあります。

例えば、食品関連や動植物、化学物質などは規制も多いのが現状です。

そのため、これから送ろうとしている荷物が依頼をするクーリエで取り扱いをしているかどうか確認しなければなりません。

またアルコール等は国ごとに規制が異なっていたりするので、クーリエ業者が対応していても輸送国で輸入ができるかどうかを確認することも忘れないでください。

【ステップ②】輸出書類の作成

送る製品の取り扱いが可能であれば、輸出に向けた書類の作成を行います。

会社によってフォーマットが異なるケースもあるので、指定された方法にて送り状やインボイス、パッキングリストの作成をしましょう。

また最近では、送り状についてWebやアプリでの製品登録ができるので、かなり簡単に書類の作成が行えるようになっています。

【ステップ③】集荷の連絡

送り状やインボイスなどの必要書類が準備できたら、集荷の手配を行います。

集荷はWebか電話で手配することができるので、日時と場所の指定、また集荷を依頼する荷物の大きさなどを伝えます。

手で運べる小さい荷物であればいいですが、大きな荷物になると通常の集荷が難しいこともあるので、特別大きな荷物の場合、事前の確認を忘れないようにしましょう。

【ステップ④】通関手続きと配達

先程もお伝えしましたが、クーリエ業者には社内に通関士がいるため、発送人が自ら通関の手続きを行う必要はありません。

集荷時に荷物とインボイス等を渡し、それらの書類を元にクーリエ業者が通関業務を行ってくれます。

クーリエ業者の通関システムは独自の体制をとり、スムーズで素早い通関が可能なため、集荷日の内に輸出国に届くことも。

後はトラッキング番号で追跡を見ながら、配達先までの到着を待つだけです。

クーリエやEMSでの国際発送業者の選び方

それではクーリエやEMSで海外に荷物を送る際「どのようなポイントに注意して選べばいいのか」を解説していきます。

クーリエやEMSを検討している時、以下のポイントを比較することで、適切な輸送業者の選択のヒントとなるでしょう。

①配送にかかるコスト

海外輸送をする際に、発送人にとって一番気になるのがコストですよね。

国内輸送よりも金額が高くなりやすい海外輸送は、業者の選び方次第で大きく変動する可能性があります。

荷物の大きさや数量によって、ベストな発送方法が変わるので、送る製品によって使い分けるのもいいでしょう。

またコスト面でいえば、送料だけでなく製品や送る国によって関税の税率が変わるということも忘れないようにしてください。

②配達までの期間

配送までどのくらいかかるのかも重要なポイントです。

海外輸送でもクーリエを使えば、翌日に届くこともありますので、急ぎの配送ではクーリエを選択することをオススメします。

一方、配送までの期間が長くても問題ない場合は、EMSをはじめとする他の配送方法を考えてみてもいいでしょう。

受取人がいつまでの届けてほしいのか、事前に確認しておくと選択がスムーズになります。

③輸送に対する保険

海外輸送は国内輸送とは異なり、輸送トラブルが起きることも少なくありません。

そのため「輸送に対する保険」にも注意して検討する必要があります。

クーリエの場合、基本的に輸送に保障・保険を付けるのはオプションとなり、通常料金に加えて手数料を支払わなければなりません。

一方、EMSは2万円までは損害要償額が無料で、その後は2万円ごと50円の追加料金を支払うことで、MAX200万円まで上限額を引き上げることが可能です。

そのため、保険を掛けるとしても少額でカバーをすることができるでしょう。

国際的な大手クーリエ業者を紹介

日本からの発送にてよく使われる「国際的な大手クーリエ業者」を4社紹介します。

①DHL

DHL(DHL Express)は、ドイツ発祥の国際的なクーリエサービスを提供する世界的な物流企業です。

世界中に広がる統合されたネットワークを持っており、220以上の国と地域で事業展開しています。

これにより、国際的な物流や宅配サービスを提供することが可能です。

航空輸送以外にも海上輸送や陸上輸送、鉄道輸送などのサービスも提供しています。

②FedEx

FedEx(フェデックス)は、アメリカ合衆国発祥の国際的な宅配・物流企業で、Federal Express Corporation(連邦エクスプレス社)として設立されました。

国際輸送、国内輸送、物流ソリューションなど多岐にわたるサービスを提供しています。

DHLと同様に220以上の国と地域で事業を展開しており、自社の貨物航空機を使った迅速な配送が可能です。

③UPS

UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)は、アメリカ合衆国の国際的な宅配および物流企業で、DHLやFedExに並び、世界中で広範なサービスを提供しています。

上記の2社と同様に220以上の国と地域にサービスを提供し、世界中で拠点となるハブを運用しています。

カスタムクリアランス、ドアツードアの物流サービス、複雑なサプライチェーンの管理など、包括的な物流ソリューションを行っています。

ただDHLやFedExと比較すると基本料金は若干高めの傾向があるようです。

④OCS

OCS(Overseas Courier Service)はANAホールディングス系列のクーリエ業者です。

特にアジア地域に強みを持ち、強力なネットワークを構築しています。

ANA系列ということもあり、日本国内でも充実したサポート体制を整えていることから、国内ユーザーにとって安心感もあります。

需要に応じた柔軟な物流ソリューションを提供し、顧客のビジネスに適したサービスを提供しています。

輸出入代行.comでは1個からでも配送OK

輸出入代行.comではクーリエとEMSのどちらのサービスも代行対応しております。

面倒な書類作成も情報を頂ければ一括して行っておりますし、各クーリエ会社と独自の契約を結んでいるため、リーズナブルな料金で国際輸送が可能です。

また、他社では対応することができない小口輸送も1個から対応可能ですし、コストや納期に応じて、最適なソリューションを提案しております。

登録不要でお見積りが可能ですので、国際輸送をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

クーリエとEMSの仕組みを理解して使いこなそう

ここまで紹介をしてきた通り、クーリエとEMSにはそれぞれ強みやメリットが存在します。

そのため、輸送の対象となる製品や予算・スケジュールのバランスを考えて、最適な輸送方法を選択することがカギとなります。

輸出入代行.comでは輸送方法の選定から一括して対応していますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。

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