海外で日本酒が大人気の理由とは?輸出国ランキングやトレンドを紹介

日本を代表するアルコール飲料として知られる日本酒。

そんな日本酒が現在、海外を中心に人気が高まっていることをご存じでしょうか。

実際、日本酒の国内市場は落ち込みつつあるものの、海外輸出については過去最高を10年以上連続で更新し続けています。

そこで今回は「海外における日本酒人気」をテーマに

  • 海外で日本酒が人気の理由
  • 日本酒の輸出国ランキング
  • 海外ではどんな日本酒が人気なのか

などを解説していきます。

日本酒の海外輸出に興味がある人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

海外で日本酒の人気が高まっている

日本酒 海外 人気

上記でもお伝えしましたが、消費者文化の変化や多様なアルコールが入ってきていることから、日本酒の国内市場は縮小しつつあります。

一方、海外からの日本酒人気は高まり続けており、日本酒造組合中央会、財務省貿易統計の発表によると、日本酒輸出総額は13年連続で前年を上回りました。

輸出金額・数量ともに、10年前と比較しても約3倍に成長し、右肩上がりで市場が伸びているということがわかります。

多くの日本酒が海外で販売され、味が認められたことによって、さらに日本酒の需要が高まっているのです。

海外で日本酒が人気の理由3選

それでは、ここから「なぜ海外で日本酒が人気なのか」その理由について解説していきます。

美味しいということが認められているのはもちろんですが、それ以外にも日本酒人気には理由があるのです。

一緒にチェックしていきましょう。

【理由①】日本食ブームが起きているから

日本酒が海外で人気の理由の1つに「日本食ブーム」があります。

2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、和食を扱う日本食レストランの海外出店が加速しました。

それと同時に和食に合うお酒として日本酒にも注目が集まり、海外にある日本食レストランでの需要が高まりました。

今では日本酒を使った「利き酒イベント」も世界各国で開催されています。

また、日本酒にはオーガニック商品であるものも多く、海外ではオーガニックであることをアピールする酒蔵も増えています。

【理由②】日本滞在時に日本酒を体験したから

海外における日本酒人気には「日本滞在時の日本酒体験」も影響しています。

2012年頃より、観光へと力を入れた政策のおかげもあり、訪日外国人観光客は一気に増えました。

そして「せっかく日本に来たのであれば、やはり日本ならではのお酒を飲みたい」と考える外国人観光客も多く、日本滞在時に日本酒を体験する外国人も増加しました。

そこで日本酒の美味しさや魅力に気付いた人たちが、自国に戻っても日本酒を楽しむことが増え、世界各国へと幅広く広まっていきました。

新型コロナウイルスの影響でインバウンドは激減したものの、その分健康に気を遣う人が増え、ヘルシーな日本食にスポットライトが当たったため、日本酒需要の勢いは止まらず、成長を続けています。

【理由③】冷蔵輸送ができるようになったから

海外での日本酒人気には「冷蔵輸送に対する輸送サービスの向上」も関係しています。

冷蔵輸送へのハードルが以前よりも下がったため、保冷した状態での日本酒の輸送が可能となりました。

保冷した状態で日本酒を輸送することで、より高品質な状態で現地まで届けることができ、今まで馴染みの薄かった品種の消費にも繋がっています。

日本酒の輸出国ランキング

10年以上も連続で増加中の日本酒輸出ですが、一体どの国への輸出が多いのでしょうか。

日本酒の国別輸出額ランキングをまとめました。(右側には輸出量を記載しております)

地理的・文化的な側面からアジア各国が上位を占めており、日本食レストランが比較的多いアメリカやオーストラリアも上位に位置しています。

順位国名輸出額(千円)数量(ℓ)
1中華人民共和国14,160,8047,388,072
2アメリカ合衆国10,929,5319,083,761
3香港7,115,7992,717,400
4大韓民国2,523,0174,053,917
5シンガポール2,325,956917,488
6台湾2,222,4193,076,021
7カナダ1,162,6141,005,422
8オーストラリア932,034806,207
9ベトナム705,663692,615
10マレーシア625,686581,875
11英国607,188484,065
12フランス523,769427,242
13タイ426,756681,326
14ドイツ357,853663,838
15オランダ340,534483,917
16マカオ318,38193,078
17アラブ首長国連邦257,259158,219
18イタリア197,834494,459
19インドネシア181,203110,193
20ブラジル178,288343,571
農林水産物品目別実績(輸出)

海外で人気の日本酒とは

一言に「日本酒」といっても、様々な味・種類がありますよね。

外国人から好まれる日本酒はどのようなテイストなのでしょうか。

好きな日本酒のタイプ

地酒検証研究会のアンケート調査に基づいたこちらの円グラフをみてみると、海外で人気の日本酒は

  • フルーティータイプ:28%
  • コクのあるタイプ:24%
  • タイプはこだわらない:22%
  • 爽やかタイプ:20%
  • 熟成感があるタイプ:3%
  • わからない:3%

という結果となりました。

それぞれ味の好みはあるものの、タイプにこだわらずに楽しんでいる人も多いということがわかりました。

海外輸出向けに清酒製造免許制度が新設

これまで国内需要の減少から、供給ばかりが多くなってしまわないよう、需要と供給を保つ意味をこめて、清酒製造免許を新規で発行していませんでした。

しかし、外国における日本酒人気の高まりから、日本酒の海外輸出を積極的に後押しするため、令和2年度税制改正にて「輸出用清酒製造免許制度」が新設されました。

以下、輸出用清酒製造免許の概要となります。

輸出用清酒製造免許は清酒の輸出拡大に向けた取組を後押しする観点から設けられたもの

です。

当該免許については、1の要件のうち最低製造数量基準(清酒は 60 キロリットル)の適用

がないほか、需給調整要件についても適用除外となっています。

また、当該免許によって製造する清酒は、当該免許が清酒の海外におけるブランド価値向上

等を目的として設けられた趣旨に鑑み、酒税法第3条第7号(注)に定める清酒のうち、米及

び米こうじに国内産米のみを用いて国内で製造、容器詰めしたものに限ります。

 (注)酒税法第3条第7号≪その他の用語の定義≫

清酒 次に掲げる酒類でアルコール分が 22 度未満のものをいう。

イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの

ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(そ

の原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えな

いものに限る。)

ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

 なお、輸出用清酒製造免許により製造した清酒については、輸出するために製造するもので

あることから、原則として国内に移出することはできません。

 他方で、以下の場合であって無償で提供するものについては、輸出するために必要な行為で

あると考えられることから、国内への課税移出が可能です。

  • 国内で開催される輸出のための商談会等に使用する場合
  • 商社等の輸出業者へサンプルとして提供する場合
  • 国税局が実施する品質審査等に提出する場合
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/menkyo/seishuseizo/pdf/0021001-109_02.pdf

海外での日本酒人気は今後も続いていく!

食のグローバル化が進み、日本酒も他の料理との組み合わせが期待されており、海外からのニーズはより高くなると予想されます。

またインバウンドや円安の影響もあり、海外での日本食ブーム、そしてそれをきっかけにした日本酒の人気は今後も続いていくでしょう。

輸出入代行.comでは、日本酒の海外輸送も取り扱っておりますので「海外の友人に日本酒を送りたい」「仕事の関係で日本酒を輸送したい」などのご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

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