航空輸送と海上輸送の違いと特徴!メリットとデメリットを徹底解説

海外貿易や輸出入ビジネスにおいて、航空輸送と海上輸送、どちらを選べばいいのか悩んでいる方は多いと思います。

実際、どちらの輸送方法も特徴が異なるため、一概にこっちの方法がいいとは言えないのが現実です。
しかし、どちらの輸送方法を選択するかによって、輸送にかかる時間やコストが大きく異なってきます。

そこで今回の記事では、航空輸送と海上輸送の違いや特徴、それぞれのメリットとデメリットを徹底解説します。
コストやスピードなどの比較ポイントをきちんと押さえて、海外ビジネスの拡大に繋げましょう。

航空輸送と海上輸送の特徴

まず、海外ビジネスにおける航空輸送と海上輸送の特徴をざっくりそれぞれチェックしていきましょう。

航空輸送の特徴

航空輸送は、速度が非常に速いことが最大の特徴です。
そのため、とにかく早く荷物を届けたい際に適しており、通関手続きも比較的簡素化されているので、輸入業務の手間や時間を短縮することもできます。

また、空港は世界中にあり、輸送ルートに制限が少ないため、時間的に余裕がある場合でも、輸送のしやすさから選択肢の1つとなるでしょう。

具体的には以下のような製品は航空輸送が向いているとされています。

  • 生鮮食料品や切り花など、鮮度を維持する必要があるもの
  • BILや原産地証明書など、貿易に関する重要な書類
  • パソコンやスマホなど、消費者向けに早期納品が求められる商品
  • 医療器具や薬など、早期納品が必要な医療用品
  • 自動車や電子機械の部品など、早期納品が必要な製造部品
  • クリスマスやバレンタイン向け商品など、季節消費商品
  • コンサート用の機器や衣装など、イベント用商品
  • 熱帯魚や小動物など、短期間で輸送する必要がある生き物

海上輸送の特徴

海上輸送は、1回の輸送で航空輸送の約7倍程度の貨物を運べるので、コストが低く、大量輸送に適しています。

特に、大型の商品や重量物を輸送する場合は、コスト面で大きなメリットがあります。

一方で、輸送時間が長くなってしまうため、緊急性が高い場合や、医薬品や精密機器など、運搬条件が厳しい貨物には不向きであることがあります。

【比較】航空輸送と海上輸送の違いを4つのポイント別に解説

それでは、ここから「航空輸送と海上輸送の違い」をポイント別にチェックしていきます。

①所要時間

航空輸送と海上輸送では、輸送にかかる時間が大きく異なります。
航空輸送はスピードが速く、急ぎの荷物や緊急性の高い商品を輸送するのに最適です。

安定した航路網が整備されており、アジアであれば主要都市に最短当日に到達することも珍しくありません。
また、航空輸送は、船舶輸送と比較すると天候や気象条件に左右されにくく、安定したスケジュールを組むことができます。

一方、海上輸送では輸送時間が数日から数週間に及ぶことが一般的です。

港から港への輸送時間に加えて、積み荷の荷役作業や通関手続き、天候や航路の状況による遅延などが影響を及ぼすため、正確な到着日時の予測が難しいという点にも注意する必要があります。

②運賃

2つ目の違いは「運賃」です。
航空輸送による輸送コストは高い傾向にあり、大量の荷物を輸送する場合は、海上輸送を検討する必要があるかもしれません。

海上輸送における運賃は、一度に大量の貨物を運ぶことができるため、比較的コストが低いです。
また、船舶の保有コストも比較的安定しているため、海上輸送の運賃は長期的に見て比較的安定している傾向にあります。

一方で、燃料価格の変動や需要と供給のバランスの変化によって運賃が変動することもあるので注意が必要です。
運航ルートや貨物の種類によっては、運賃が航空輸送よりも高くなることもあるので、輸送料金は事前に確認してください。

③梱包

続いての違いは「梱包」です。
航空輸送では、貨物が高速で輸送されるため、梱包はとても重要です。

航空機内での激しい振動や衝撃、温度変化によって、荷物が破損や損傷を受けることも。
そのため、強固な箱に入れたり、緩衝材を使用して荷物を保護する必要があります。

また、空輸の場合は航空会社の規定に従ったサイズや重量に制限があるため、梱包のサイズや重量にも注意が必要です。

一方、海上輸送では、貨物が長期間輸送されるため、梱包は耐久性や防水性が求められます。
海を通るので、梱包材に湿気が入り込みやすいです。そのため、防水加工された梱包材を使用したり、積み荷の湿度や気温に合わせた梱包方法を選択するなど、湿気に対する対策が必要です。

また、海上輸送では船舶のサイズに制限がないため、航空輸送に比べて大型の荷物を梱包することもできます。

どちらの輸送方法においても、梱包には細心の注意が必要であり、貨物の種類や目的に合わせた適切な梱包方法が求められます。

④輸送可能量

航空輸送は、機体の大きさや搭載重量に制限があるため、海上輸送と比較して総輸送量は少なくなります。
海上輸送は、一度に大量の貨物を運ぶことができるため、航空輸送と比較して総輸送量は多くなります。

船舶の大きさや荷役装置の性能によっては、数千トン単位の貨物の輸送も可能です。
このように、航空輸送と海上輸送ではそれぞれに輸送可能量に大きな違いがあります。

貨物に合わせて、輸送手段を適切に選択することが大切になります。

航空輸送のメリット・デメリット

それでは「航空輸送のメリット・デメリット」をそれぞれまとめて解説していきます。

航空輸送のメリット

航空輸送の主なメリットは以下の3つです。

①輸送スピード

他の輸送に比べ、輸送期間が短く、急ぎの物資や時間が重視される商品に適しています。

②追跡の容易さ

ロジスティクスの追跡が容易です。航空貨物は通常、追跡システムを利用して荷物の場所を追跡することができます。

③安定した輸送スケジュール

距離によらず、安定した輸送スケジュールでサービスを提供できます。気象条件による遅延が発生する可能性がありますが、それでも海上輸送に比べると遅延のリスクは低くなっています。

航空輸送のデメリット

航空輸送の主なデメリットは以下の2つです。

①輸送コストの高さ

航空機の燃料コスト、人件費、空港施設使用料などが高額であるため、輸送費用が高額になる傾向があります。

②荷物の重量や体積への制限

航空機の荷室や搭載可能重量・体積には限界があり、大量の荷物を一度に運べないことがあります。

海上輸送のメリット・デメリット

続いて「海上輸送のメリット・デメリット」をそれぞれまとめて解説していきます。

海上輸送のメリット

海上輸送の主なメリットは以下の3つです。

①輸送コストの安さ

大量輸送が可能であり、他の輸送方法に比べて輸送コストが安いです。

海上輸送の運賃は、通常は貨物の種類、量、出発地と目的地の距離、船舶の種類やスケジュールなどによって計算されます。

運賃を抑えるためには、積み荷の最適化や輸送スケジュールの調整、貨物の集荷や積み替えなどが重要なポイントとなります。

②環境にやさしい

燃料消費量が比較的少なく、CO2排出量が少ないため、環境に優しい輸送方法です。

③貨物のサイズに制限がない

一度に輸送できる荷物のサイズに制限がなく、大型の機械や建築資材なども輸送が可能です。

海上輸送のデメリット

航空輸送の主なデメリットは以下の3つです。

①輸送時間の長さ

輸送時間が長く、商品の到着までに時間がかかります。

②納期の安定性

船舶の遅延や天候不良など、船舶のスケジュールに影響されるため、到着日時の予測が難しく、スケジュール調整が難しいです。

③保険の加入

航空輸送は荷物の損傷リスクが少なく、保険をかけないケースも少なくありません。

しかし、海上輸送の場合、輸送中に商品の盗難や損傷が発生する可能性が十分あるため、保険の加入が必要です。

【SDGs】航空輸送と海上輸送の環境への取り組み

近年では、貿易輸送においても、脱酸素・排出ガス・CO₂排出量削減が求められています。

そのため、輸送会社も様々な開発、活動を通じ、環境にやさしい輸送ができるよう日々取り組んでいるのです。

ここから、そんな航空輸送・海上輸送の環境への取り組みを紹介していきます。

航空輸送の環境への取り組み

航空輸送における環境への取り組みとしては、エネルギー燃料の開発と燃費の改善が挙げられます。

持続可能な燃料として、バイオマス燃料や合成燃料の開発が進んでおり、徐々に航空燃料としても利用されるようになるでしょう。
また、CO2排出量を削減するために、航空機のエンジンや航空機の軽量化を図り、飛行計画の全体改善を通じてより良い燃費での輸送を目指しています。

海上輸送の環境への取り組み

海上輸送における環境への取り組みとしては、船舶のエコ設計や排出削減技術の導入が挙げられます。

船舶のエコ設計とは、船舶のエンジンやプロペラの性能改善や、船体形状の最適化など、環境にやさしい設計のことです。エコ設計をすることで、エネルギー効率が向上し燃費改善へと繋げることが可能です。
そして、排出削減技術の導入によって、大気汚染物質や二酸化炭素の排出量の削減に取り組んでいます。具体的には、船舶の脱硫装置(スクラバー)の導入や、NOx(窒素酸化物)排出削減装置の導入、排ガス浄化システムの導入などが挙げられます。

航空輸送と海上輸送の違いを理解して輸出入ビジネスを発展させよう

航空輸送と海上輸送は、どちらも貿易ビジネスに欠かせない輸送手段です。

しかし、どちらも一長一短であり、選択に迷ってしまうこともあると思います。。
ただ、今回の記事で説明した特徴やメリット・デメリットを理解すれば、どちらの手段が最適なのか判断するヒントになるはず。

輸送物の性質や条件に応じて、航空輸送か海上輸送かの使い分けをし、輸出入ビジネスを発展させましょう。

輸出入代行.comでは、輸出入に関するご相談や海外ビジネスをまる投げできるプランもございますので、気になる方はお気軽にご連絡ください!

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