国際輸送のケースマークとは?記載事項や貼る位置とルールを解説
海外との輸出入業務を行う場合、輸送用のケースに「ケースマーク」というラベルを貼ることを求められると思います。
とはいえ、いきなりケースマークと言われても一体どんなマークなのか、記載事項などわからないこともたくさんありますよね。
しかし、ケースマークを正しく貼ることは、輸送のスムーズな進行や通関手続きに欠かせない重要なポイントです。
そこで、この記事では
- ケースマークとは何か
- ケースマークに必要な記載事項
- ケースマークの貼る位置
- ケースマークのルール
について解説します。
ケースマークに関する疑問や不安を解消し、スムーズな国際輸送を実現するための知識を身に付けましょう。
目次
ケースマーク(シッピングマーク)とは
ケースマーク(CASE MARK)とは、輸送する貨物の外装に印刷や貼り付けされているマークのことです。
「シッピングマーク(SHIPPING MARK)」や「荷印」と呼ばれることもあります。
ケースマークをつける主な目的としては
- 貨物が他の荷主のものと混ざらないようにするため
- 貨物の仕分けを簡単にするため
- 貨物の数量を明確にするため
- 取り扱いの注意を示すため
- 貿易書類との一致を確認できるようにする
の5つが挙げられます。
混載便では、様々な荷物が大量に積み降ろしされるので、荷物が混ざりあい、識別できなくなってしまわないようにしなければなりません。
そのため、積み荷作業をする人がわかりやすいようケースマークが必要となるのです。
ケースマークの記載事項とは
それでは「荷物がなくならないようする」という目的をきちんと果たすために、ケースマークにはどのようなことを記載すればよいのでしょうか。
また、ケースマークの記載事項に具体的な決まりはあるのでしょうか。
結論からいうと「ケースマークの記載事項に決まりはありません!」
もちろん、取引先からケースマークの記載事項について指定があれば、その指示に従う必要があります。
しかし、国際的な印ではあるものの、ケースマーク自体に決まった様式やフォームがないのが現状です。
荷物をきちんと輸送してもらいたいからといって、細かく情報を書きすぎるのも、見にくくなりかえってわかりにくくなります。
そのため、シンプルでありつつも輸送に際して必要事項が記載されているのが望ましいです。
取引相手からの指定がある場合は、写真を送ったりして相違がないように心掛けましょう。
【例】一般的なケースマークの記載事項
お伝えした通り、ケースマークに決まった様式はありません。
とはいえ一般的なケースマークには、下記の内容が記載されていることが多いです。
- 主マーク(MAIN MARK)
- 仕向地(DESTINATION)
- 重量(NET WEIGHT, GROSS WEIGHT)
- 容積(MEASUREMENT)
- 通し番号(CASE NO.)
- 貨物の原産地表示(MADE IN 〇〇)
- 取扱上の注意(CARE MARK)
あくまでも一例となりますので、取引相手とのやり取りですり合わせをすることを忘れないようにしましょう。
また、原産地表示をする場合、出荷が日本からでも生産国が異なる場合、MADE IN JAPAN の表記はできないので気をつけてください。
ケースマーク作成時の3つの注意点
ケースマークの作成には、確かに決まりはありませんが、注意すべき点がいくつかあります。
そこで、ここから「ケースマーク作成時の注意点」を3つ紹介します。
【注意点①】見やすいフォントを使う
ケースマークは貨物の見える位置に貼るので「ダサいマークは嫌!おしゃれなフォントを使いたい」という人もいるかもしれません。
しかし、ケースマークにおいて、一番大切なことは「取り違えやトラブルがないようにすること」です。
そのため、どこの国の人が見てもわかるような見やすいフォントを使うようにしましょう。
特にアルファベットのOや数字の0、Zや2など見た目が似ている文字は注意が必要です。
フォントはゴシック体の方が明朝体よりも識別しやすいので、ぜひ参考にしてください。
【注意点②】大文字でわかりやすく
ケースマークの記載は大文字で揃えるのもオススメです。
小文字と大文字が混同していると「1・I・l」はよく見ないと識別できないですし、単純に大きい方がわかりやすいというメリットがあります。
【注意点③】パソコンでの作成
ケースマークはパソコンで作成するようにしましょう。
もちろん、手書きで作成することがルール違反というわけではありませんが、手書きは文字のクセが出やすく見間違えやすいです。
WordやExcelなど、一般的なソフトで十分ですし、一度作れば何度も繰り返し使えるので、今後の負担軽減にも繋がります。
ケースマークの貼る位置はどこ?
結論ケースマークは、明確に貼る位置が決まっているわけではありません。
そのため「ケースマークは目立つところに貼る」というのを心掛けましょう。
ケースマークの目的は、取り違えやトラブルを防ぐことなので、荷作業者が気付かないところに貼ってもあまり意味がありません。
大きな貨物であれば、複数枚のケースマークを貼り付けてどこから見てもわかりやすいように準備してください。
もちろん業者によって指定がある場合は、その指示に従うようにしましょう。
ケースマークの大切なルール
ここまで、ケースマークについて解説をしてきましたが「あまり決まりがないんだな!」と思った人もいるかもしれません。
しかし、ケースマークには大切なルールも存在します。
それは「ケースマークと船積書類(通関書類)の一致」です。
ケースマークは船積書類や通関書類にも記載をしなければなりません。
そこで、書類に記載されたケースマークと貨物のケースマークが一致していないと通関ができない場合もあります。
不一致が起きた場合対処法はあるのですが、スムーズな輸送が出来ず、作業が複雑になるので、「ケースマークと船積書類(通関書類)の一致」は確実に確認するようにしましょう。
わかりやすく見やすいケースマークを使おう
ここまで、ケースマークの決まりについてお伝えしてきましたが、何度もいう通り、ケースマークで最も大切なことは「わかりやすく見やすい」ということです。
作業をする人やスムーズな輸送の為にも、おしゃれなマークよりも見やすさを重視したケースマークを使うようにしましょう。
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